「人間失格」と「さよなら絶望先生」の比較

「人間・失格」じゃないよ(それは野島


ネガティバー達の心の書、太宰治の「人間失格」を読みました。



いや、「・・・・・・今更?」って言うなw ああ今更さ。


題名から陰鬱とした話を想像していましたが、意外と面白い話でしたよ。いや、暗いんだけれど。もう主人公の葉蔵が絶望先生そのものw なにこいつ。何このネガティブ発想。何この穿ったものの見方。なにこのダメ人間。

そのうち「絶望した!」って言い出すんじゃないだろうかと思ったくらい。そっくり。「かってに改蔵」および「さよなら絶望先生」ファン必読の書です。

いや、ごめんなさい。よく考えたらそっくりじゃなくて、こっちがネタ元なんだよね。アニメからポロロッカしてきたそこのあなた。絶望先生こと糸色望のモチーフはこの「大庭葉蔵(=太宰治)」です。覚えておきませう。


ちょっと比較してみましょうか。

  さよなら絶望先生 人間失格
主人公 糸色望 大庭葉蔵*1
出身地 信州県蔵井沢 青森県北津軽郡金木村
時代 昭和80年代 昭和初期
主な舞台 東京府小石川区 東京府
年齢 20代前半? 27歳(手記執筆時)*2
性格 死にたがりの構ってちゃん 他人の心が理解できず道化を演じて生きる
職業 高校教師 画家(漫画家)
容姿 美形 美形
モテ度 女生徒とフラグ立ちまくり 女に惚れられやすい
自殺遍歴 ことあるごとに(全部未遂) 入水心中、服薬自殺(いずれも未遂)
恋愛遍歴 若いときは男女のべつ幕無くやんちゃだった やりまくり
配偶者 なし 内縁の妻あり
家族構成 五人兄弟妹の四男坊 十一人兄姉の十番目
家柄 元禄時代から続く名家 県下屈指の大地主
父親の職業 代議士 代議士
その他 共産主義活動に身を投じていた時期あり 共産主義活動に身を投じていた時期あり

ね?これだけ似通った点があります。*3


集英社文庫の新装版「人間失格」の表紙はなんとあの小畑健先生が描いております。
学ランを着た月にしか見えないw

人間失格 (集英社文庫)

人間失格 (集英社文庫)

集英社
 
人間失格 (新潮文庫)

人間失格 (新潮文庫)

私が読んだ新潮社版


未読の方はこの夏、読んでみてはいかがでしょう。
心が弱ってるときに読むと死にたくなるので注意w


ちなみに著作権が切れているので青空文庫にもなっています。ちょっと読みにくいけれど。

太宰治 人間失格
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/301_14912.html




あと、余談なんですけど、「人間失格」が連載されたときの雑誌『展望』の編集長は臼井さんです。

*1:一部、太宰本人のプロフィールで補完

*2:太宰が人間失格を書いたのは39歳

*3:修正協力求む