涼宮ハルヒの憂鬱DVD3感想

ZGOK2006-09-22



あー。いい。いいよこれ。あー。
寝心地いいわ。手に包まれたい。レモンになりたい。(←取り返しのつかない状態)


以下DVDの感想。ネタバレ。


閉鎖空間に閉じ込められるシーンが一番印象的ですね。一言でまとめるとあのシーンは「怖い」。


街に明かりがついていないのも不気味ですけれど、あの世界、なんか生物の気配がまったくしないんですよね。そこが異様と言うか。『寄生獣』の最後の方で新一が「後藤」を森の中で探す場面があって、そこで「夜の森が静かなんて思ったら大間違いだ。そこら中に生き物の鳴き声・気配がして、自分は孤独ではないんだとわかる。」とかなんとか言うんですよ。田舎生まれの私はそのことが良く分かって。薄暗い世界に人の居ない巨大な建物(この場合校舎や体育館)がそびえ立っていてその中に自分ひとりがぽつんと居るという視覚的な演出も不気味さを煽るんですが、私は無機物しかなさそうなあの世界の静けさに恐怖感を感じました。

そんな世界に放り出された二人。キョンは落ち着いておりますが、ハルヒの能力を知っている者から見ればあのシーンの彼女のセリフと行動の一つひとつは空恐ろしく感じられることでしょう。最初は不安がってキョンの袖を掴んで歩くなど普通のカワイイ反応を見せているハルヒですが、神人が現れ始めた辺りから表情やセリフが一転します。

私は機関に属する人間のつもりであのシーンを見ました。怖ええよ、と。w

ドラゴンボール』でフリーザ様が地球を破壊しようとするシーンがありますけれど、あんなものの比じゃない。ハルヒは宇宙そのものを作り変えようとしているわけで、しかも無自覚にやっている。自覚のない人間ほど怖いものはない。w

本来なら神人を発見したときに「何あの不気味な巨人」とハルヒは怖がってもいいはずなのですが、実際は無茶苦茶テンションが上がってる。目の前でバンバン校舎を破壊しているのに「私には邪悪なものには思えないんだけど」とのたまう。あれが何か分からないのだけれど本能的には悟ってる感じ。しかも表情は今まで見せたことないくらいニコニコ楽しそうにしてるんですよ。

神様が楽しそうに世界を破壊している状態。怖い。w
もう、ニーチェで言うところの「駱駝→獅子→赤子」の「赤子」の状態ですよ。最終段階。スターチャイルドですよ。


で、そのあとキョンが今までの世界に対する肯定を始めると「(何言ってるの?)」って反応を示すわけです。あれだけ「私が男漁りに精を出し始めたらどうするの。まだ作ったばっかりなのに。」と言っていたSOS団にたいしても「いいのよ、もう。」と口走る。今までの世界を否定し、新しく世界を作ろうとする意志が見えます。

その後のセリフは彼女が推測や疑問形で言っている部分を「(あなたの為に)〜てあげる」の授受動詞に置き換えると分かり易い。

「会えるわよきっと」 → 「会わせてあげるわよ」
「太陽だって昇ってくるわよ。私には分かるの。」 → 「太陽も昇らせてあげる。私がそうする。」

まるでキョンに言われて今決めたかのように聞こえてきますね。
で、最後にキョンが今までの世界に対する全面的な肯定を口にすると、それを拒絶するかのように手を振り払う。

「なんで?今までのつまらない世界なんて消して私たちの望む世界を作りましょうよ!貴方だって望んでたことでしょう?」
ということでしょうね。

機関の人間にすれば血の気の引くシーンだったでしょうね。(二人がどうやって閉鎖空間から戻ってきたか古泉が知ってるって事は、機関の人間は一部始終を感知出来てたってことだよなぁ。ひいい。)


最後に余談。
キスシーンではキョンの言い訳振りがいいですね。ええ、あれは言い訳ですよ。素直に
ハルヒ、好きだ!」 → ズキューゥンぶちゅー
といけばいいのに、
「俺はポニーテール萌えであって、いつぞやのお前のポニーテルは魅力的で、だから今からキスをするのは俺をこんな気持ちにさせたお前が悪い。
ってことでしょう?!



かぁーーーー!!ボケキョンがっ!!


今回発売されたDVDで原作『憂鬱』にあたる部分が全部消化されました。
今後は『退屈』以降のエピソードとなります。

つい先日は京アニのサイトでハルヒダンスのコンテが無料公開されたり、更にはそれを映像化する気配(?)がしているので期待しておくことにしましょう。(収録するなら最終巻あたりじゃないかな。恐らくサムデイインザレイン1本だし。)