行け!!南国アイスホッケー部 ワイド版
某月某日。天候は雨。
私は閉店間際のとある書店で挙動不審にウロウロ歩き回っていました。
流れてくる「蛍の光」。
ダメだ、時間がない。――――――――決断せねば。
人目が少なくなったところで勇気をもって店員に話しかける私。
「すいません・・・。」
「はい。」
「この本、全巻ください。」
「あ、はい。今お取りします。」
買 っ た 。
買ってしまった。買って島谷ひとみ。(← −70点)
こんなに大量の本を一気買いするのは石ノ森章太郎先生の「マンガ日本の歴史」を買ったとき以来だ。
レジの兄ちゃん早くして。早く会計してぇ。後ろがつっかえてるの!見られてるの!らめぇええええ!!!
「お会計7810円になります。」
万札を出す私。紙袋に詰める店員。
・・・・・・紙袋?ちょwww外は雨だぞwww
もし濡らしたらどうする?!お前コラ、本濡らしたら、濡れてフニャ子フニャ雄になったら賠償もんやぞ!怒るでしかし!
「次の方どうぞ」
ダッシュで店を飛び出る私。
水溜りに落とさないように涙目になりながら紙の袋を抱きしめて駅に向かう私。
心なしか周りの視線が痛い。
そうして無事持ち帰った荷物がこちらです。
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中身がこれです。
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・・・ついに買ってしまいましたよ。
久米田康治のデビュー作。
既に手に入りにくくなりつつあるこのワイド版が全巻そろって置いてあるのを前の週に見たときは、本棚の前を5分間くらいウロウロしていました。
そして給料日であった翌週、意を決して全巻買い。
手にとってみます。ページを開きます。
「ああ、これが久米田康治の原点か。」そう思うと感慨深いものがあります。
第一話を読みました。違う意味で感慨深いものがあります。
なんだろうこの感覚。
そう、思い出した―――――――。
これはNHK「映像の世紀」を見たときと同じだ。
大観衆から絶大な歓迎を受けパレードするヒトラー。
そして流れる加古隆の名曲「パリは燃えているか」の哀しい旋律。
映像へ被せるようにしてナレーションが読む、当時のドイツ国民が綴った手記。
「彼なら我々を救ってくれる」
「ナチスは、先の大戦で敗戦し、屈辱的な賠償によってどん底まで突き落とされたドイツを立ち直らせてくれる」
その興奮や希望に満ち溢れた言動と裏腹に、
この後ドイツが、そして世界が辿った歴史を知る者として涙する、そんな感覚。
ああここから、久米田康治(じんるい)の黒歴史(かなしいみちのり)が始まるんだな。
そう思い、私は部屋で独り、嗚咽しました。
糸色望「ガーーーーン!!」
ちなみに感慨に咽び泣いた私が一気に作り上げた芸術作品がこちらです。
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題「パルテノン神殿(仮)」
どう?
糸色望「本で遊ぶなああ!!」