アルバム評:『かくれんぼか、鬼ごっこよ』(2)

04.綿いっぱいの愛を!絶望少女版

何を差し置いても真田アサミさんの「起きちゃったまたする?」を押さずにはいられない一曲。彼女の声は艶っぽいのでピッタリだ。正直原曲の人より完成度が高いような気がする。

そう、本曲はこのアルバムの楽曲をを演奏している”特撮”の持ち曲である。

何故入っているのか理由を考えたがよくわからない。
ただ、プロデューサーの視点で見た場合、いつも使えないような駒が手に入ったらいつもやっていることにいつもと違う変化を付けてやってみたいと思うことは自然だと思うし、よくわかる。

しかし、良く考えてみると凄いことだ。プロデューサーがプロデュースしてる相手と自分の楽曲を演っているわけだから、例えるならつんく♂モーニング娘。と一緒に「ズルい女」をリメイクしているようなものである。

ハッピーアイスクリーム絶望少女版』なんて面白そうだ。(内田さんに許可取らないとダメだけど)あっちの方がよっぽど鬼ごっこしてるし。*1


05.絶望遊戯

アルバムタイトルにもなっている、「かくれんぼか、鬼ごっこよ」という歌詞が登場する。このアルバムのメインとなる曲と考えて間違いない。アップテンポで疾走感の溢れるギターが心地よい。

こういう、ギターや、ベースのコードが低い方から階段状に↑・↑・↑と上がるのを繰り返す曲は、イメージとして猛スピードで何かが駆け抜けていく感じがする。

ずっと聴いていると「恋する」を「殺す」に直した方が歌詞の意味が通ることに気付く。怖い。つまり、そういう下敷きをモチーフとして通り魔的な、お遊戯的な恋愛模様を描いたということだろう。こういう作り方もあるんだなと感心する。

サビのハモリが特に美しい。◎


06.ヒキツリピカソ・ギリギリピエロ

マ太郎のために作られたかのようなピッタリな曲。

声が出せないので残念ながら登場していないが、芽留を連想させる部分もある。

歌詞がまるで呪文を唱えるように歌われ、何か得体のしれない者を召喚する儀式のようである。

ドラムがとても面白い。

この曲に関して、楽器は完全に脇役に徹している、といった感じだ。

最後に語りが入る。本当にオーケンは語りやセリフを入れるのが好きだなぁ。だが歌詞はこの曲だけノマアキコさん作詞。だからか?ああ、彼女らをそんな風に捉えていたのか。この後の「さよなら!絶望先生」にもその対し方は繋がっているようだ。


<つづく>

綿いっぱいの愛を!

綿いっぱいの愛を!

*1:と思ったら、YoutubeにMADがあったw